店舗の出店には、物件取得費や内装費、設備費、人件費、広告費など、さまざまな費用が発生します。
何も考えずに進めると、必要以上にお金をかけてしまい、開業後の経営を圧迫するケースも少なくありません。
次のような悩みを感じたことはありませんか。
- 思った以上に初期費用がかかる
- 本当にこの金額が必要なのか分からない
- できるだけリスクを抑えて始めたい
この記事では、店舗出店時のコスト構造を整理したうえで、無駄を省きながら出店コストを削減する具体的な方法を、実務目線で分かりやすく解説します。
初期費用と固定費を適正化し、早期黒字化を目指したい方はぜひ参考にしてください。
出店コストを抑えながら、無理のない店舗づくりを実現したい方へ。
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なぜ出店時のコスト設計が経営を左右するのか
「いくらで開業できるか」という初期投資の安さだけを追い求めると、その後の資金繰りや収益性を損なうリスクがあります。
初期費用と固定費の構造を理解する
店舗の出店コストは、「いくらかけるか」よりもどんな支出構造になるかで、その後の経営の安定性が大きく変わります。
出店時には、物件取得費や内装工事費といった初期費用に目が向きがちですが、実際の経営に長く影響するのは、家賃や人件費などの毎月発生する固定費です。
たとえ初期費用を抑えられても、固定費が重ければ、売上が少し下振れしただけで資金繰りは一気に苦しくなります。
重要なのは、「いくらで開業できるか」ではなく、「毎月いくら出ていく構造になるか」まで含めて設計できているかという視点です。
コストを抑えすぎて失敗するケース
出店コスト削減を意識するあまり、必要な部分まで削ってしまうケースも少なくありません。
コスト削減は経営にとって重要なテーマですが、「削ること」自体が目的になると、結果的に売上や運営効率を損なうリスクがあります。
この段階では、「コストは削り方を間違えると、経営そのものを不安定にする」という点だけを押さえておくことが重要です。
削減すべき費用と削ってはいけない費用の考え方
出店コストは、すべてを一律に削るのではなく、優先順位をつけて整理することが重要です。
削減を検討しやすいのは、過剰な内装演出、高価すぎる什器・設備、使われないスペースなど、なくても運営に大きな支障が出にくい部分です。
一方で、削ってはいけないのは、売上や運営効率に直結する要素です。
スタッフの動線や作業効率に関わる設備、顧客体験に影響する部分は、安易に削るべきではありません。
コスト削減の本質は金額を下げることではなく、お金の使い方を最適化することにあります。
固定費を適正化できれば損益分岐点は下がり、売上のブレに強く、利益を出しやすく、経営判断の自由度が高い構造をつくることができます。
出店コストの適正化は、設計や物件条件の整理段階から始まっています。
OLLDESIGNでは、初期費用と固定費のバランスを踏まえた現実的な出店計画と、無駄のない内装設計・施工まで一貫してサポートしています。▶︎ OLLDESIGN公式サイトはこちら
出店コストの内訳と初期費用を抑える具体策
出店コストを適正に抑えるためには、まず「何に、どれくらいの費用がかかるのか」を分解して把握することが重要です。
物件取得費・保証金・家賃の考え方
出店コストの中でも、物件関連の条件は初期費用と毎月の固定費の両方に直接効く、最重要の判断ポイントです。
物件を選ぶ際に見るべき軸は、次の3つです。
初期費用と固定費のバランス:保証金や物件取得費が安くても、家賃が高ければ、数年単位で見た総負担は重くなります。
「いくらで借りられるか」ではなく「何年使ったときにいくら払うか」で判断する視点が欠かせません。
総負担額での判断:初期費用と月額家賃を合算し、一定期間(例:3年〜5年)での総コストを比較すると、条件の良し悪しが見えやすくなります。
営業規模との適合性:立地や広さが実際の営業規模に対して過剰でないかを見直すことで、売上に対して無理のない家賃水準に抑えることができます。
最初から「背伸びした物件」を選ばないことが、資金繰りの安定につながります。
内装・設備・什器にかかる費用の優先順位
内装や設備、什器は、出店時の初期費用の中でも最も調整余地が大きい一方、判断を間違えると経営に直結する領域です。
すべてを一律に削るのではなく、役割で仕分けることが欠かせません。
確保すべき費用
- 売上やオペレーションに直結する設備
- 作業効率を左右するレイアウト
- 顧客体験に影響する要素
見直しやすい費用
- 過度な装飾
- ブランドイメージに対して過剰な仕様
ここを取り違えると、コストは下がっても「売れない・回らない店」になるリスクが高まります。
重要なのは、「見た目」ではなく経営への効果を基準に判断することです。
居抜き物件・リース・中古の活用判断
- 居抜き物件の活用:内装や設備を一から整える必要がなく、工事費や導入コストを大きく削減できる可能性があります。
- 既存設備の見極め:自店の業態やオペレーションに合っているかを慎重に見極めることが重要です。
- リース・中古は総費用で判断する:初期費用だけでなく、ランニングコストや耐用年数を含めた総コストで比較する視点が重要です。
初期費用を抑える具体策として、居抜き物件や設備リース、中古什器の活用は有効な選択肢になります。
人件費・広告費・その他初期経費の考え方
出店時には、内装や物件以外にも、次のような初期経費が発生します。
- 人件費(採用費+研修期間の人件費)
- 広告費(開業告知・集客施策)
- 各種手続き・申請関連費用
特に人件費は、「採用した瞬間から発生するコスト」ではなく「戦力化までのコスト」まで含めて見積もる必要があります。
その他の経費も、「今、本当に必要か」を一つずつ精査することで、初期費用全体の圧縮につながります。
内装・施工コストを削減する発注と進め方
内装・施工にかかる費用は、出店コストの中でも調整余地が大きい領域です。
設計施工一括と分離発注のコスト構造の違い
内装工事の発注方式には、大きく「設計施工一括」と「分離発注」の2つがあります。
- 設計施工一括:設計から施工までを一社にまとめて任せる方式。窓口が一本化され、進行管理の手間を抑えやすいのが特徴です。
- 分離発注:設計と施工を別々に発注する方式。設計の自由度やコストの透明性を確保しやすいというメリットがあります。
コスト削減の観点では、どちらが安いかではなく自社の管理体制に合っているかで判断し、細かくコストをコントロールしたい場合は分離発注を選ぶなど、体制と目的に応じた選択をすることが無理のないコスト設計につながります。
見積の見方と減額調整の進め方
内装工事の見積は項目数が多く専門的になりがちです。
減額調整を行う際は、次の観点で整理すると品質を落とさずにコストを抑えやすくなります。
- 仕様を変更しても支障が出にくい部分はどこか
- 代替素材や別工法で対応できる部分はないか
- 優先度の低い工事や演出要素は何か
設計者や施工会社と相談しながら、「削る部分」と「守る部分」を明確に切り分けることが、現実的なコスト調整のポイントです。
コストが膨らみやすいポイントの管理方法
コストが想定以上に膨らむ原因の多くは、工事途中での仕様変更や追加工事です。
- どのレベルの変更から金額が変わるのか
- 変更時に必ず見積を出して確認する運用になっているか
- 誰が最終判断をするのか
こうしたルールを事前に整理しておくことで、想定外のコスト増加を抑えやすくなります。
開業後の固定費・変動費を抑える運営設計
出店コストを抑えて開業できても、その後の運営コスト管理が甘いと、利益はなかなか残りません。
家賃・光熱費・通信費の見直しポイント
家賃や光熱費、通信費といった固定費は、毎月確実に発生するコストであり、積み重なると経営への影響が大きくなります。
光熱費については、設備の使い方や営業時間の設計によって差が出やすい項目です。
照明のLED化や空調の設定見直し、使用していない時間帯の電源管理など、日常運用の工夫だけでも削減効果は十分に期待できます。
通信費についても、不要なオプションや契約内容を定期的に見直し、店舗規模に合ったプランに調整していくことが重要です。
人件費とシフト設計の考え方
人件費は、固定費と変動費の両方の性質を持つ、経営に直結する重要なコストです。
シフト設計では、曜日や時間帯ごとの来客数に合わせて、必要な時間帯に必要な人数だけ配置できているかを定期的に見直します。
また、業務の標準化やオペレーションの見直しによって、少人数でも回せる体制をつくることが、人件費のコントロールにつながります。
広告費についても、毎月の効果を見ながら調整し、無駄な出費になっていないかを継続的に見直すことが重要です。
仕入れ・消耗品・食材コストの管理方法
売上に応じて増減する変動費は、管理の仕方次第で大きな差が出ます。
- 仕入れ先の価格が適正か
- ロスや廃棄がどの程度出ているか
- 発注量は売上規模に見合っているか
これらを定期的にチェックし、無駄が出やすい部分を一つずつ潰していく運用が、長期的なコスト削減につながります。
出店コストを抑えたいときの相談先と進め方
出店コストを抑えたいと考えたとき、「とりあえず安くしてくれそうな業者を探す」という動き方をしてしまうケースは少なくありません。
しかし実際には、相談する相手とタイミング次第で、かえってコストが膨らむことも多々あります。
ここでは、コスト設計を前提にした相談の進め方を整理します。
誰に・どの段階で相談すべきか
出店コストは、物件選定、レイアウト、内装仕様、設備構成、発注方式といった初期の判断で大きく決まります。
本来は、次のような段階から相談できる相手が理想です。
- 物件を探し始めるタイミング
- おおまかな予算感と事業計画を考え始めた段階
- レイアウトや席数、オペレーションを検討し始めた段階
このフェーズで相談できれば、「削る前提で考える」のではなく、「最初から無理のない構成に組み直す」判断が可能になります。
見積が出てから調整するのではなく、設計の入口からコスト構造を整えられるかどうかが、その後の負担を大きく左右します。
コスト整理から設計・施工まで一気通貫で考える意味
出店コストが膨らむ原因の多くは、判断が分断されたまま進むことにあります。
例えば、次のような形で進むと、部分最適の積み重ねになり、全体ではコスト効率の悪い構成になりがちです。
- 事業計画はオーナーが考える
- 設計はデザイナーが考える
- 施工は施工会社が考える
一方で、コスト整理・設計・施工を一体で考えられる体制であれば、
「ここは削れる」「ここはかけた方が回収できる」という経営視点での判断が可能になります。
重要なのは、「安く作ること」ではなく、「無駄を削り、必要なところにだけ使う構造をつくれるか」です。
この視点で伴走できる相手に、早い段階から相談できるかどうかが、出店コストの成否を大きく左右します。
まとめ
出店コスト削減は、見積を削ることではなく、事業設計の段階からコスト構造を組み直すことが本質です。
初期費用、家賃、内装、人件費、仕入れはすべて連動しており、部分最適では経営を圧迫します。
重要なのは、削る部分とかける部分を見極め、全体最適で設計すること。
そのためには、物件・設計・施工・運営を一本の線で考える視点が欠かせません。
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