ビジネスやサービスの軸として欠かせない「コンセプト設計」。しかし、実際にはこのような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
- どこから手をつけて良いか分からない
- 伝えたいことが多すぎて、結局ぼやけてしまう
- 差別化したいが、具体的に何を強みにすれば良いか迷う
本記事では、初めてでも実践できる「コンセプトの作り方」を5つのステップで体系的に解説。さらに、実例を交えながら、伝わるコンセプトの構築ポイントと、見直しが必要なタイミングも紹介します。
「OLLDESIGN」では、コンセプト設計からブランディング・空間デザインまでを一貫してサポート。事業内容やターゲット層に応じた“伝わる価値の言語化”を、実績豊富なプロが支援します。

コンセプトとは何か?なぜ必要なのか
コンセプトとは「誰に・何を・どう届けるか」を示す事業の核です。明確なコンセプトがあると方向性が揃い、“選ばれる理由”が自然に生まれます。
コンセプトが果たす役割
コンセプトは一言のキャッチーさではなく、事業全体の判断基準として機能します。以下の4点に集約できます。
- 差別化:競合が多い市場でも「あなたの店ならでは」が明確になる
- 世界観の統一:デザイン(外観・内装)・接客・メニューが一本化する
- 顧客理解の促進:価値が伝わりやすく購入率が上がる
- ブランド基盤:価格設定やストーリーづくりの軸になる
まずは自店の強みや提供価値がこの4つと結びついているかを確認するところから始めてみてください。
コンセプトとキャッチコピーの違いとは
両者は混同されがちですが、役割はまったく異なります。
| 役割 | コンセプト | キャッチコピー |
| 定義 | 本質的価値・世界観 | 価値を端的に伝える外向きの表現 |
| 目的 | 経営方針・営業における判断基準 | 興味喚起・印象づけ |
| 対象 | オーナー・スタッフ(内側) | 顧客(外側) |
| 性質 | 変わらない軸 | 施策によって変わる場合も |
焼き菓子店を例に挙げると、
- コンセプト:自然素材で“毎日食べられる”やさしい焼き菓子を届ける店
- キャッチコピー:「毎日食べたい、やさしい焼き菓子。」
コンセプトは「内側の土台」、キャッチコピーは「外に向けた伝え方」です。
明確なコンセプトは事業の軸になります。自分だけでは整理しきれない時は、プロの伴走が効果的です。OLLDESIGNでは、個人オーナーの想いを丁寧に言語化し、伝わるブランドづくりをサポートしています。まずは無料相談で方向性を一緒に固めませんか?
コンセプト作成前に押さえるべき前提
コンセプトづくりは、言葉をひねる前に“前提の整理”から始まります。特に個人オーナーは、想いや強み、実現したい世界観がそのままブランドの核になります。この土台を整えておくことで、後の設計精度が大きく高まります。
ターゲットと提供価値の整理
良いコンセプトは、「誰に」「何を」「どんな価値として」届けるのかが明確です。まずはターゲット像と提供価値を可視化しましょう。
ターゲット整理の例
- どんな人のどんな悩みを解決したいのか
- 年齢・職業・ライフスタイル・価値観
- 他店では満たされていない不満点
ターゲットを絞ることで、「誰のための店なのか?」が明確になり、世界観づくりの判断がしやすくなります。
提供価値の整理の例
- 商品・サービスで満たせる心理的メリット
- 店舗体験や世界観が提供する情緒的価値
- 他店と比べて優れている根拠や特徴
この整理を行うことで、あなたの事業が選ばれる理由が見え、コンセプトの軸がブレなくなります。まずは紙やメモに書き出しながら、顧客像と価値提供を具体化してみましょう。
競合分析から差別化のヒントを得る
コンセプトを強めるには、競合が提供している価値を俯瞰することが効果的です。そこから「市場で求められている条件」と「競合がカバーしていない領域」を見つけられます。
競合分析の主な観点
- 商品ラインナップ
- 外観や内装のデザインや店舗の世界観
- 価格帯
- 店舗体験
- SNSの運用状況や利用者の投稿数
- 客層
以下は、競合比較のイメージです。
| 項目 | A店 | B店 | 自店 |
| 世界観 | ナチュラル | モダン | ? |
| 価格帯 | 高め | 中間 | ? |
| 強み | 原材料の質 | 店舗体験 | ? |
この表を使って、「自店がどのポジションを取るべきか」「どんな強みで差別化できるか」が明確になります。まずは3〜5店舗をリストアップして、競合の強み・弱みを可視化し、自店の“空きポジション”の発掘から始めましょう。
コンセプト設計5ステップの進め方
コンセプトづくりは「順序立てて整理する」ことで、一貫して伝わる軸になります。
顧客の課題を理解する
まず「誰が何に困っているか」という顧客の悩みや課題を明確にします。
- 困っている場面
- 感情(不安・期待・ストレス)
- 既存店で満たされていない
ターゲットである顧客の課題が明確になるほど「必要とされる理由」が浮かび上がります。
提供する価値を明文化する
次に、提供する価値を明確にするために、機能的価値と情緒的価値の2軸で整理します。
- 機能的価値:短時間の利用に最適、PCの作業に集中できるなど
- 情緒的価値:ゆったり落ち着く、世界観が好みに合っている
提供する価値が定まれば、メニューやSNS運用の方向性がぶれません。
ブランドのトーン&マナーを決める
3つ目ではブランドのトーンやマナーを決めます。また、それを顧客に伝えるために、店内の“雰囲気”を統一します。
- 店内の雰囲気(ラグジュアリー/賑わいのあるなど)
- テーマカラーやブランドロゴ
- 接客態度や店員の言葉遣い、サービス
小さな店舗ほど「印象の一貫性」がブランド力をつくります。
コンセプトを言葉で表現する
ある程度コンセプトが定まってきたら、「誰に・何を・どんな価値で」を一文に言語化してまとめます。
- 誰に:ターゲット層の明確化
- 何を:提供価値の要約
- どんな価値で:機能的価値・情緒的価値
華美でなくても良いので“軸が伝わる一文”にします。
共有し、反応を検証する
コンセプトが決まったら必ず第三者の意見を取り入れてブラッシュアップします。
- スタッフ
- 既存顧客
- 専門家
以上のような第三者の反応をもとに、より「伝わるコンセプト」へ再調整しましょう。
コンセプトが伝わる表現方法とは
どれだけ良いコンセプトでも、“伝わらなければ”意味がありません。個人オーナーの場合は、デザインや言葉、店の雰囲気を統一することで初めてお店の個性や世界観が届きます。そのためには視覚・言葉・体験の3つを揃えることが欠かせません。
デザイン・ロゴ・言葉の一貫性を持たせる
コンセプトをもっとも直感的に伝えるのが「デザインの一貫性」です。ロゴだけでなく、色・フォント・写真・メニュー表・SNS投稿まで、すべてが同じ“世界観”で統一されているかが鍵になります。
一貫性をつくる要素
- トーン(上質/カジュアル/自然派 など)
- カラーパレット(ブランドカラーの統一)
- 写真の雰囲気(光の使い方/質感/構図)
- 言葉遣い(丁寧/フランク/専門的 など)
デザインと言葉がそろうことで「このブランドは何者か?」が瞬時に伝わり、初見の人にも深く印象づけられます。まずは自店の世界観に合う基準を明確にして、各ツールへ反映しましょう。
タグライン・ビジュアルで世界観を可視化
コンセプトをより具体的に伝える方法として、「タグライン(短いメッセージ)」と「ビジュアル表現」があります。タグラインはブランドの価値を端的に示す一言やメッセージで、ロゴやSNS、店頭などに添えて使うことで世界観が伝わりやすくなります。
タグラインの例
- 「毎日食べたい、やさしい焼き菓子。」
- 「整う時間を、日常に。」
- 「暮らしに、小さな静けさを。」
ビジュアルも重要で、写真・質感・色の方向性を統一すると、ブランドの空気感が視覚的に伝わります。
タグラインとビジュアルを合わせて活用することで、コンセプトが“言葉ではなく感覚で伝わる”設計になります。まずは「どんな雰囲気を感じてほしいか」を軸に考えましょう。
実例に学ぶコンセプトの形と成果
コンセプトは抽象的なスローガンではなく、「なぜ選ばれるのか」を具体化する実務的な武器です。飲食・美容・小売など、競合が多い業界ほど効果が出やすく、世界観や提供価値が明確なほど口コミ・購入率・リピートに直結します。
飲食業界|「誰のどんな時間を良くするか」で差がつく
飲食店の成功例では、ターゲットと提供価値の一貫性が成果を生みます。喫茶・カフェを例に挙げると、以下のようになります。
例:働く大人がひと息つける「余白のある喫茶店」
- 世界観:一人で静かに過ごせる空間
- 提供価値:整う一杯のコーヒー
- 体験:ミニマルな内装・丁寧な抽出・絞ったメニュー
“選ばれる理由”が明確になるほど、自然に口コミと常連が増えます。
美容業界|技術より「体験」を軸にしたコンセプト
美容業界では、「誰にとってどんなメリットがあるか」まで落とし込むことで顧客満足が安定します。以下はヘアサロンを例にしています。
例:忙しい女性向け「30分で整う再現性カット」
- 世界観:無駄のない動線・シンプルなメニュー
- 提供価値:時短 × 仕上がりの安定
- 体験:時間価値(タイムパフォーマンス)に共感した顧客がリピートしやすくなります。
小売業|価値観を打ち出すとファンが育つ
小売店でも「何を軸に選ぶ店か」を明確にすると、顧客が理由をもって来店します。雑貨・アパレル店を例に挙げると以下のようになります。
例:地元クリエイター作品だけを扱う“地域×クラフト”店
- 世界観:手仕事の温かさ
- 提供価値:作家紹介POP・ストーリー性のある陳列
- 体験:世界観に共感した固定ファンが継続的に購入してくれるようになります
コンセプト設計のよくある失敗と回避策
コンセプトづくりは事業の基盤ですが、初めてのオーナーほど同じ落とし穴に陥りがちです。ここでは特に発生しやすい2つの失敗パターンを整理します。
言葉だけが立ち、抽象的になるケース
「地域に愛される店」「笑顔をつくる」など、耳触りの良い言葉では、コンセプトがあいまいで、具体的な指標が伝わりにくいです。
コンセプト設計におけるよくある失敗例①
- 抽象的な言葉に対し、具体的な行動に落とし込めず、運用でブレる
- 他店と同じ表現になり差別化できない
原因は「表面的な言葉だけで設計している」点です。
まず誰のどんな課題を解決するのかを一文で定義し、不要な表現を削りながら具体性を高めると実用的なコンセプトに育ちます。
顧客視点が抜け、理想だけで作られるケース
店側の理想像だけで設定されたコンセプトは、現実の顧客行動と噛み合いません。コンセプトの設計には、必ず顧客がどう利用するか、利用してどう感じるかを組み入れることが大切です。
コンセプト設計におけるよくある失敗例②
- 内装・メニュー・価格設定とコンセプトが一致しない
- メッセージが刺さらず、来店理由にならない
原因は「ターゲット像の解像度不足」です。
顧客の課題・動機・期待を具体化し、“お客様にとって嬉しい約束”になっているかを基準に見直すことで、ズレや形骸化を防げます。
コンセプトの改善・再構築が必要なタイミング
一度設計したコンセプトも、顧客行動や市場が変われば“効かなくなる瞬間”があります。そのサインを見逃さず、必要に応じて再構築することで、事業の停滞を防げます。
顧客ニーズや市場の変化に応じて見直すべき兆候
コンセプトの老朽化は、次のような状態として表れます。
| コンセプトの老朽化で感じるズレ | コンセプトの老朽化による顧客行動の変化 |
| 来店理由や選ばれる理由が曖昧になる |
|
| 口コミや評価が狙いとズレてきた | 伝えたい価値と、実際に刺さっている価値が一致しない |
| 強豪との違いが薄れ、市場で埋もれ始めている |
|
- 来店理由・選ばれる理由が曖昧になってきた
(他店へ流れやすくなる/意図しない比較が増える) - 口コミ・評価の内容が狙いとズレてきた
(伝えたい価値と、実際に刺さっている価値が一致しない) - 競合との違いが薄れ、市場で埋もれ始めている
(似た店の増加/強みが見抜かれにくい)
これらが複数当てはまる場合は、コンセプトの再構築を検討するタイミングです。
コンセプトを活かしたマーケティング改善施策
コンセプトを中心に施策を見直すことで、発信・商品・体験の全てが揃い、改善スピードが大きく高まります
- 商品・サービスの再編集
コンセプトと最も相性が良い商品を中心に並べ、導線を整える。 - SNS・店舗デザインの統一
届けたい世界観を色・写真・言葉で揃え、印象を一貫させる。 - ターゲット別の訴求メッセージ開発
忙しい社会人向け/子育て世帯向けなど、用途別に伝え方を調整する。 - 顧客体験の見直し
接客・導線・予約方法など、“体験全体”がコンセプトと一致する状態をつくる。
まとめ
コンセプトは「誰に・何を・どう届けるか」を示す、店舗づくりの最重要の土台です。顧客・ターゲット層の課題、提供価値、競合との差別化を整理し、言葉・デザイン・体験を一貫させることで、初めて“選ばれる理由”が明確になります。また、市場や顧客の変化に応じて定期的に見直すことで、ブランドの鮮度と強さを保つことができます。
OLLDESIGNでは、個人オーナーの想いを丁寧に言語化し、コンセプト設計からデザイン・空間づくりまで一貫サポートしています。
「何を軸にすべきか」がまだ曖昧な方でも大丈夫です。まずは無料相談で、理想のブランドの形を一緒につくってみませんか。
